| 2012年1月号掲載 |
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■工場長インタビュー
「やりたいこと」「やらねばならないこと」「やれること」 の
融合を目指す
キユーピー(株) 五霞工場
執行役員 五霞工場長
楠本 正 氏
Tadashi Kusumoto
【Profile】
プロフィール 1958年生まれ、大阪府出身。81年キユーピー(株)入社。02年挙母工場長、06年五霞工場長、08年生産本部副本部長兼夢多 採り推進部部長、執行役員、09年夢多 採り推進部部長兼五霞工場長、09年より現職。 |
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◆コミュニケーションは会話ではなく心と心のやりとり
──最初に五霞工場長に赴任した06年、まずお互いに認め合う活動を始められましたが、その経緯を教えてください。
楠本 ●お互いに認め合おうというのは、私の哲学の一つです。02年に挙母工場長に就任したとき、工場経営がなかなかうまくいかず随分苦しみました。そんなとき、部下だった女性の言葉が耳にすっと入ってきた瞬間がありました。一人一人認め合うこと、感謝し合うことが大事だということを教えられました。
例えば、レポートの提出を義務付けても、決められた日時までに書けない人や求めるレベルに達しない人がいます。そのときに以前はなぜ出せないのか、あるいはなぜこのレベルなのかと問いただしている自分がいました。これでは部下を単に責めているだけで何の解決にもなりません。このような自分を変えようとしてきました。期日までに提出できないのは随分悩んでいてくれたのだと考え、相手に深く考えてくれたんだねと声を掛けるようにしました。レベルが低ければ、何とか期日に間に合わせようとしてくれたんだねと言うように変えてきました。その上で望ましい状態を示すようにしていきました。
基本的にはコミュニケーションの問題といえます。ただ、当時は会話することがコミュニケーションだと思っていました。でも、会話はConversationであってコミュニケーションではありません。コミュニケーションは心と心のやりとり。言葉で単に話をするだけでなく相手の心に届くような話し方や聞き方が必要だと気付きました。
以前は1時間の会議でも半分以上は私が一方的に話をしていました。本来、その場に10人いれば自分は9割聞かなければならないわけです。実際にそれを実行したところ、自分が気付かないような意見がポツポツ出てくるようになりました。一つ一つはまだ思考が浅いものの、深く聞いていけばどんどん膨らんでいく。そういうことを経験しながら、自分が引っ張るのではなく、皆が活躍できるマネジメントこそが自分の力を超えて工場を進化させるのだと悟りました。
──やりたいことをやっていいといわれ、全員が自分の目標を設定できるものなのでしょうか。
楠本 ●会社の方針とずれてもいいから、自分のやりたいことを引き出してあげるのです。例えばパートタイマーの方の場合、どうしたいかを聞くと「給料を上げてほしい」「早く帰りたい」と言ってきます。それは当たり前のことですが、あえて「なぜ」と聞いてみる。すると最後は「幸せな家庭を築くため」という真の目的にたどり着きます。そこでまた幸せな家庭を築くためにはどうしたらいいかを尋ねます。
その答えはまた元に戻って「早く帰れればいい」となる。今度は早く帰るためにはどうすればいいかを聞くと、真の目的に気付いていますから真剣に考えてくれます。そして、「ラインが安定稼働するためにトラブルがなくなること」という答えが返ってきます。さらにトラブルの原因を尋ねると、「この機械とこの機械がよくトラブルを起こします」。それを受けて、じゃあどうしますかと。そして、ようやく「私がこの機械のトラブルをゼロにする目標を持ちます」という目標が導き出されます。これがやりたいことから、やらなくてはならないことへの目標のひも付けです。こういう会話を一人一人とやっていきます。
──でも、工場長が全員と対話していくわけにはいきませんよね。
楠本 ●挙母工場長時代は400人と面談しました。ただパートさんの場合は1対1というより5人ぐらい集まって私一人と面談した方が会話も弾むため集団で行いました。さすがに五霞工場に赴任して以降は他工場に行く仕事も増えたので、「目標の向上の発展プロジェクトチーム」をはじめ、現場責任者が中心となって取り組んでいます。
年1回、個人目標の設定を行い、それに基づいて工場目標が作られています。つまり、一人一人の「やりたいこと」の集大成が工場目標になっているといえます。ところが、一人一人の「やりたいこと」からだけで上位目標を導くと、キユーピーグループとしてのミッションや役割に気付いてもらえないリスクが出てきます。そこをうまくドッキングさせながら目標設定していくことを、今一生懸命やっている最中です。
(つづく)
■このほかインタビューの内容
・「やらねばならないこと」が「やりたいこと」に変化
・大切なのは変化への気づき
・メガ工場生産体制で固定費削減や人材育成に効果
■工場ルポも同時掲載
12年度の目標は 「働きたい工場ナンバーワン」
【工場概要】
所在地:茨城県猿島郡五霞町小手指1800
操業年:1972年
稼働時間:5:00~22:00(繁忙期は24時間体制)
製造品目:マヨネーズ、ドレッシング
生産量:6万7000t
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【主な内容】
・12年3月に操業40周年
・お互いを認め合う活動からスタート
■プチインタビュー
・戦略シートを使って課題を明確に
・他職場の担当者と連携して生産計画を策定
・自分たちの手で初のワックスがけに挑戦
・チーム活動で相乗効果を発揮
・「型替カ所」を明示することでトラブルがゼロに
ぜひとも弊誌1月号をご覧ください
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