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2010年5月号掲載

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フードチェーン全体の安全・安心を貫徹

農場を含む直営部門すべてをISO 22000で回す

米久東伯(株)

【各施設概要】
●種鶏場(6団地):生産能力=種卵2万6800個/日、社員=17人●ふ卵場(1施設):生産能力=ひな2万1000羽/日、社員=7人●養鶏場(直営と農家、11団地):生産能力=若鶏1万6000羽/日、銘柄鶏8500羽/日、常時飼養羽数=115万羽、直営農場社員=18人●養鶏場(鳥取県内の外部3社):生産能力=6500羽/日●処理場:延床面積=2階建て4300u、処理能力=3万1000羽/日(4500羽/時間)、設備=チキン骨付きモモ肉自動脱骨ロボット(トリダス)9台、チキンムネ肉全自動脱骨ロボット(イールダス)3台、社員数=158人●レンダリング工場:生産能力=フェザー3000s/日、チキン8000s/日、飼料用オイル4500kg/日、食用オイル1000s/日、社員数=9人


(右)向かって左から渡辺公則顧問、本田達之助品質管理顧問、山根健治製造部長、鈴木政彦常務、茶吉英世社長、林正晴ISO推進室長、山本茂樹生産部長

フードチェーン全体の安全・安心を貫徹し、ブロイラー産業に革新性を示すモデルケースが鳥取県に存在する。米久グループの1社として、「鳥取のとり」を中心にブロイラーの生産・処理などを行う米久東伯鰍セ。同社はDNVの監査を経て09年9月、直営の種鶏場からふ卵場、肥育農場(養鶏場)、処理場、また飼料などを作るレンダリング工場まで、直営部門すべてを対象にISO 22000の認証取得を果たした。茶吉英世社長はこのシステムを「憲法」ととらえ、方針を実現させるための中心に据えている。いったい、どんな仕組みで回っているのか。現地に飛んだ。


◆旧東伯町農協から設備、関係要員を継承

接続にもよるが、東伯郡琴浦町へは米子空港駅から単線のディーゼル列車を乗り継いだ場合、およそ1時間40分。鳥取駅からもほぼ同じ時間を要する。浦安駅で降り、国道9号線を車で5分ほど走ると米久東伯の本社・工場に着く。工場の向こう側には大山の山並みと、それに続く広大な台地。振り返れば日本海。横を流れる加勢蛇川では、大山に磨かれた清冽で豊かな水がきらきらと輝いている。

同社は06年12月に設立。食肉類製造・販売大手の米久鰍ェ、地元の旧東伯町農協から鶏舎、工場を含むブロイラーの生産・処理・加工にかかわるすべての設備、関係要員を譲り受けるかたちで誕生した。

米久には「食品の安全・安心志向の高まりに対応し、国産鶏肉の調達力を強化」すること、また「ひなからの一貫生産によるトレーサビリティーの確保された鶏肉の販売を拡大」「西日本エリアにおける食肉供給拠点の確保」などの狙いがあった。一方、旧東伯町農協や地元には米久の資本力や販売ネットワークを活用し良質なブロイラーの安定供給とブランド化を通じて地域の活性化を図りたいという期待があった。

恵まれた自然環境とミネラル豊富な大山山麓の伏流水。特に鶏は水質によって健康も肉質も大きく左右されるという。こうした地の利を生かしながら、国産鶏肉の未来を模索すべく、全国区の食肉メーカーと地元による新たな挑戦が始まったのである。

◆種鶏から養鶏まで一貫管理

同社ではまず、種鶏から養鶏までを一貫管理とするため、種鶏場(6団地)とふ卵場を完全に直営化、また県内11カ所の養鶏農場についても4農場を直営化した。委託農場は詳細を後述するが、ひなや飼料などを指定する仕組みで品質管理を確実にした。常時飼養羽数は115万羽。09年度の年間処理羽数は設立当初からおよそ100万羽もの増産となる740万羽を達成している。

ロットは鶏舎を単位とし、事実上、農場から店頭までの履歴追跡が可能になった。これを受け、製品にQRコードを張り付けて携帯電話でも生産履歴を追跡できる「携帯トレサビサイト」を07年に開設した。ひなになった日付や与えた飼料の履歴、生産者の顔写真まで、さまざまな情報を開示。同社のホームページも携帯電話から直接閲覧できるようにした。

また、処理・加工後の骨や切れ端など残さいは直営のレンダリング工場で受け入れ、チキンミールやチキンオイルなどに製品化。ペットフードや飼料原料になるものについても、サルモネラフリーを実現するため衛生管理を万全にしている。飼料は同社の養鶏にも還元され、循環型のフローを完成させている。

◆食品安全マネジメントシステムと農家の自立を両立

さて、委託農場についてだが、このマネジメント手法には大きな特徴がある。旧東伯町農協時代から継承された仕組み(「アパート方式」または「利用料システム」)をアレンジしたもので、鶏舎の建設や設備投資などに掛かる費用は米久東伯が受け持ち、農家には同社の指導の下で飼育に専念してもらう。個人農家が大きなイニシャルコストを負担しないで済むため増産計画が立てやすくなるほか、2年間の養成制度を通じて新規就農の支援にもつなげられる。

そして、最大の狙いは食品安全マネジメントシステムと農家の自立を両立させることにある。ひなや飼料、ワクチンなど肉質や生鳥の健康を左右する重要な資材も同社が一元管理し、指定したものを各委託農場に供給する。また、直属の生産指導員がすべての関係農場を定期的に巡回し、生鳥の品質管理、ワクチンや薬品の使用状況についての確認、抗体チェックなどを行う。出荷時の集鳥や運送にも同社が立ち会うという。こうした徹底した管理体制により農場が完全に見える化され、原料が安全・安心であることが裏付けられるというわけだ。

飼育したブロイラーは地元の農家らで組織する「東伯食鶏生産組合」と協議した上、年間一本価格で米久東伯に買い取られる。組合では生産者側に収益が出る価格が決められるため、農家は安定的に一定の収入を得られ、生産成績に応じて規模を拡大することも可能になる。ただし、同社は生産を指導しながらも営農に関しては第三者の立場に身を置き、組合ではあくまでも一組合員として同じ目線で参加している。品質管理は一元化しているが、同時に地元農家の自主性を重んじているのだ。


 
(左)22000の取り組みの中でムネ肉、モモ肉の各ラインを一方通行に変えた
(右)自動脱骨機など大型の専用機械も最新型・高効率のタイプに更新した


◆根拠に基づいた改善

「上流から安全な原料が供給されなければ、加熱工程のない鶏肉の処理では製品としての安全・安心は確保できません。処理場におけるハザードは生鳥に由来するものが多いのです。完全に管理するためには、農場をも取り込んだフードチェーン全体での安全・安心の仕組みが必要だと考えていました」。茶吉社長は22000の導入に踏み切った背景をこう説明する。

すでに、このための大枠自体は出来上がっていたといえるが、記録と検証に基づいた管理レベルの客観的な評価と改善、そして整理整頓・日々清掃を原点とした食品安全に対する会社全体の意識付けを22000のシステムに期待した。米久からの出向社員である鈴木政彦常務は親会社での9001の運用経験を踏まえ、「ISOの仕組みの良いところは、実態を調査し、認識することにあります。根拠に基づいた改善につなげられるからこそ、自分たちの取り組みに自信と確信が持てるのです」と強調する。

監査機関は数社によるコンペを経て、食肉業界でも実績があるDNVを選定。「この業界の知識や監査の実績がないと、説得力のあるご指摘は期待できないと考えていました。担当いただいた監査員はブロイラーにかかわる知識も豊富で、結果的にはたくさんの改善の機会が得られました」(林正晴ISO推進室長)

キックオフは08年4月。コンサルタントの支援を受けながらも、農場を含む生産部門から処理場、レンダリング工場までを一括して22000でカバーするという壮大な挑戦に手探り状態は続いた。

食品安全チームは、各部門から選任された専門知識を有するメンバー15人で編成、過去のクレームや経験などからハザードを抽出し、重篤度・発生頻度を分析評価してHACCPプランを作成した。処理場はCODEXの「食品衛生の一般原則」や食鳥処理場のガイドライン(厚生労働省)に準じて、生産部門は畜産HACCP(農林水産省)を達成するための「ブロイラーにおける一般的衛生管理マニュアル」に準じた管理レベルでPRPを作成した。また、レンダリング工場は食品衛生法と飼料安全法、化製場法に対処した管理体制を整備した。

「ブロイラーにかかわるハザードは、主に@抗生物質などの残留A異物混入B病原微生物による汚染・残存C低温管理の不徹底が挙げられます。加熱工程のない処理場では、微生物をどうコントロールするかが特に重要になります」(本田達之助品質管理顧問)。具体的には生産部門では法定伝染病による罹患、抗生物質を含む薬物の残留、サルモネラ菌を、処理場では金属異物、冷却水温度、製品温度、室内温度を、レンダリング工場ではサルモネラ菌のほか、加熱・殺菌後の製品温度をそれぞれ重点的に管理している。

◆ルール作り、記録、5S

「まず、ルール作りと記録文書の作成に着手し、その上で5Sの徹底を進めました。あらゆることを記録するという感覚に慣れるまで時間を要しましたね。ルールは文書化されているのに、記録するための帳票はまだなかったということはよくありました」(山本茂樹生産部長)。生産部門での22000構築にはこんな苦労があった。また、月に1〜2回の勉強会を午後6時から開いたが、種鶏場とふ卵場、養鶏場とも勤務体系が異なるため、全員が集まるのは大変だったと振り返る。

種鶏場では法定伝染病に対する管理、養鶏場では残留薬物に対する管理をそれぞれCCPに定めた(ふ卵場ではCCPを定めていない)。具体的には法定伝染病は種鶏のひなに対する受け入れ管理、採血による抗体チェック、ワクチン投与などをモニタリングしている。一方、残留薬物は特に抗菌剤の休薬期間を管理。法定上では出荷から7日間とされている休薬期間を同社では10日間とっているが、22000導入後は容器の全量管理を通してルールが守られているかどうかの確認・記録をしている。

では、22000運用の範囲外にある委託農場はどうだろうか。まず、飼料やワクチンなどの資材は同社が指定したものを使ってもらうことで完全にコントロールできている。生鳥の健康や飼料、ワクチンの使用状況などは記録表を提出してもらうことで確認。さらに、外部コミュニケーションとして毎月の報告会、年1回の農場監査を実施している。このように、記録に基づいた連絡を密に取り合うことで、事実上、委託農場も22000のシステムに組み込まれたかたちになっている。

◆最短でおよそ10分

工場については処理場、レンダリング工場を含め、08年6月以降、9.8億円もの投資をしてハード面の積極的な再構築を行った。動線の見直しや機械の配置換え、シャッターの増設などゾーニングに基づいた改修を進めたほか、処理場ではコンピュータースケールや鶏をばらす機械、中抜きをする機械などに高効率・高機能な最新式の機種を導入し、特に作業時間の短縮化と手作業の抑制を図った。現在、解体から袋詰めまでは最短でおよそ10分だという。これらの取り組みにより、衛生レベルの向上と生産力増強を両立させている。

また、始業前と休憩時には各工程でふき取り検査を実施するほか、月1回、工場内の48カ所にシャーレを置き、5分間開放して落下細菌の検査を行うようにした。

築22年にもなる工場のため、建物自体にも大きく手を加えた。床面や老朽個所の更新のほか、2階の解体場には梁が露出しないよう天井を張り、さらに1階の梱包室では2階との温度差による結露対策として、天井裏に送風機を設置した。これらにより落下細菌の抑制に大幅な効果が見られ、先述のシャーレを使った検査によると、落下細菌数は1シャーレ当たり10個以下を維持しているという。

レンダリング工場では、特にサルモネラ菌を汚染区域から衛生区域に持ち込まないための対策を重点的に進めた。2階が原料置き場、1階が製造を行う場所で、原料置き場が汚染区域となっているのだが、「これまではハザードに対する意識が薄く、作業スタッフが自由に行き来していました。そこで、22000の取り組みの中で長靴を履き替え、消毒剤を入れた踏み込み槽を通ってから製造場所に入るよう改善しました」(渡辺公則顧問)

◆テスト勉強する社員

同社ではパートタイマーを含む全社員を対象に、3カ月に1回、22000にかかわる筆記式の理解度テストを行っている。社員教育にもレベルの見える化と検証の仕組みを取り入れたというわけだ。「試験日が近づくと、休憩時間や作業終了後、スタッフが食堂に集まり、自主的に勉強している様子を見ることができます。当初は『こんな試験を受けるとは思わなかった』と驚かれましたが、食品安全に向け、自分たちに力量が求められているという認識が定着してきたようです」(山根健治製造部長)

改善提案制度にも力を入れ、22000の仕組みに落とし込んでいる。常に問題意識を持ち、書くことで「記録」として蓄積される。各部門の責任者がフローダイアグラムと照らし合わせて「検証」し、改善できるものはすぐに「計画」、「実行」。この循環により、互いが現場について理解を深め、より磨かれた改善提案が生まれてくるという。09年度は全社で年間3600件もの提案が出された。

実際、モモ肉の脱骨工程に関する改善提案では、わずかな工夫で作業効率を大幅に上げ、収益換算で1500万円もの増益を出した例もある。処理場では生産効率アップは同時に衛生レベルの向上にもつながるから、小さな提案も大きな財産に膨らむ。毎月1人1件を目標にしてきたが、10年度は週1件にペースを上げ、年間1万件の提出を目指すとのことだ。

◆「鳥取のとり」に願いを

農場から処理場、レンダリング工場までの一貫した22000の運用、そしてこれに伴う社員の意識やモチベーションの向上は、同社の増産体制を確実なものにしている。

例えば、農場については22000による取り組みの一環として鶏舎の除糞、清掃などを行う専門の「除糞衛生班」を置いたことで、鶏舎の衛生管理レベルを引き上げると同時にこうした作業の大幅な短縮化を実現。その分を飼育期間に回せるため、年間で70万羽の増産が可能になった。この増産は鶏舎建設費に換算すると、5億円もの投資に当たる。

一方、処理場では09年度に異物混入クレームの対前年度比10%削減を目標にしていたが、改善への取り組み姿勢が積極的になり、最終的には53%もの削減を達成した。落下細菌とともに異物ハザードも着実に減らしている。

同社では11年度までに年間処理羽数1000万羽を目指す。前提条件となるのはまず、「地元での安定した原料供給です。これがなければ、当社の食品安全システムは成り立ちませんし、品質も維持できません」(鈴木常務)。その上で、増産に伴って顕在化するさまざまな危害や品質の低下にも、対処できる気付きの目と改善能力が備えられるか。22000が生かされるのはまさにここなのだ。

08年度からはパートタイマーを含め、毎年15人程度を新規・中途採用している同社。新規農家も年間1〜2戸ずつ増え、10年度内には6戸も拡大する見通しだ。主要ブランドである「鳥取のとり」には、鳥取県を活性化したいという切なる願いが託されていると茶吉社長は語る。

「人口が60万人近くまで減少してしまった鳥取県を救えるのは、ここに継続して成長できる新たな産業を立ち上げることです。ブロイラーにかかわる産業を基幹に据え、拡大・発展させていければ、就労先を確保でき、他県に出ていってしまった若者も呼び戻せます。増産や食品安全に向けた取り組みの向こうには、地元活性化の夢があるのです」




内臓処理ラインでCCPに指定されている検査工程。変色しているものがないか目視で検査する



「From監査員」
仕事に対する高い意識と誇り
内部にも向けられたISO22000

DNVビジネスアシュアランス ジャパン 
フードインダストリーセクターコーディネーター
西村直哉 氏
【にしむら なおや】
香川大学農学部農芸化学科卒業。酒類・飲料メーカー、加工食品メーカー、医療・食品用プラスチック製品メーカーに勤務し、品質管理、生産管理、農場・仕入先管理、中国合弁会社経営などを担当。現在はDNVにてISO 9001、22000監査、顧客向けセミナー、トレーニングを担当


認証マークのステッカー


米久東伯さまは当初、ISO 9001と22000のどちらを最初に導入するか悩まれていました。経営基盤を強固にするためには、顧客満足のマネジメントシステムも不可欠だと考えていたからです。しかし、検討の結果、まずは「確実に安全・安心な商品をお客さまに届けること」。それが最優先と判断し、22000の認証取得にチャレンジすることになったわけです。しかも、農場を含む直営の関連部門すべてが対象ですから、ハードルの高さは相当なものだったはずです。この覚悟と姿勢にはとても感銘を覚えました。

そして、同社にはもう一つの重要な狙いがありました。それは仕事に対する高い意識と誇りを社員に持ってもらうことでした。定期監査にうかがった際、工場に認証マークのステッカーが張られていました。これは来社するお客さまはもとより、社員自身に対するアピールだと話されていたのがとても印象的でした。

確かに、22000は外部に対して食品安全を保証するシステムではありますが、同時に内部のモチベーションを上げるツールでもあるのです。認証取得を出発点に、どう全体に生かしていくか、どう意識を変えていくか。この姿勢を維持することで、初めて効果的な運用が達成されると言えるのです。同社の「理解度テスト」は出題する側も受ける側も大変な労力が必要だと思います。教育と力量評価の大切さを認識しているからこそ、ここまで熱心にされているのでしょう。


避けては通れない課題を見える化

同社は上流から下流までトータルにカバーする一貫した仕組みの構築を目指していましたので、監査に当たっては受け渡しにかかわるハザードなど、避けては通れない課題をいかに見える化するかという点に監査のポイントを置きました。

例えば、直営農場にしても委託農場にしても肥育をする担当者と工場で処理をする担当者は互いが異なる場所にいて、作業も全く異なるため、フローダイヤグラムやハザードマップも分断されてしまいます。ここで見逃してはならないのが、出荷する側と受け入れる側でハザードに対する共通認識を持ち、対応への連携が図られているかということです。

鶏肉には残留抗生物質というケミカルハザードがあります。抗生物質は生鳥の健康維持に不可欠なものですが、出荷時にそれが残ってしまうと、もう処理段階では取り除くことができません。金属異物や硬質異物は処理場内の金属探知機やX線検査装置で瞬時に選別することができますが、残留抗生物質をリアルタイムで検知し自動選別まで行う装置はありません。

だからこそ、休薬期間を確実に管理し、残留抗生物質の恐れがある生鳥を絶対に出さない仕組みが重要になるのです。出荷予定日が定まれば、そこから規定の日数に応じて逆算し、いつから休薬飼料(抗生物質を含まない飼料)に切り替えるのかを決める。そして、これらの段取りをモニタリングする。同社の直営農場ではこの休薬期間をCCPとしていますが、委託農場でも管理基準は同じです。一つのルールに従った連携プレーによるシステムがあるから、処理場に受け渡される原料は安全・安心だといえるのです。


検証プランと更新

HACCPではなかなか検証プランや更新という概念が見えづらい部分もあると思いますが、22000では今の仕組みがきちんと機能しているか、目的を果たしているか、さらなる改善の余地がないかを検証し、状況の変化に応じて更新することが要求事項に盛りこまれています。いわば、継続的なアップデートを前提にしているわけですね。監査を通して、この部分を落としてしまうケースが時々見られます。

わかりやすい例で説明しますと、前室でローラー掛けをした後に髪の毛が着衣に付着していたら、これはルールや従業員の力量、意識に改善の余地がありますので、手順や方法、教育訓練プログラムを変えなくてはなりません。ただ、継続して確かめる仕組みがなければ、こうした更新にはつなげられません。ここが検証プランなのです。具体的な方法を挙げますと、例えば工場内の巡回によるローラー掛けがその一つかもしれません。

アップデートをしなければならないのはなぜでしょうか。それは工場の環境や機械、商品が変われば、新たなハザードに目を向けなければならないからです。検証プランはそのためのインプットになるのです。


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